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株式会社クァンタリオン(文京区)

業種 : 情報
作成日: 平成30年3月9日
更新日: 平成30年3月9日
代表取締役CEOの露崎典平氏
情報セキュリティの未来を変える新発想 原子核の自然崩壊を利用した乱数発生器
 なりすまし、データ流出、乗っ取りなど、個人から企業、国レベルにとっても、情報セキュリティ保持は大きな課題となっています。IDや暗号作成など、情報セキュリティの根底に求められるのは、無作為の乱数発生。しかしながら、既存の乱数発生システムにはいくつもの脆弱性が指摘されてきました。株式会社クァンタリオンが開発したのは、自然崩壊する核分裂を利用した乱数発生器。「クァンタリオンのセキュリティチップは、人間にも機械にも決して予測できない乱数を発生させる、いわば"最強の鍵”です」。情報セキュリティの未来を変える、新発想について、代表取締役CEOの露崎典平氏にお話を伺いました。

情報セキュリティの人智を超えた自然に委ねる新発想

開発したセキュリティチップ
「これまでの乱数生成システムはいくつかの問題を抱えていました。まず、ヒューマンリスク。プログラムを作った人が故意でもミスでも情報を漏らしてしまう危険があります。ソフトウェアで作成された疑似乱数にはどうしても偏りが生じ、そこにパーフェクトな解決策は見いだせていません」と露崎氏は、これまでの情報セキュリティの脆弱性について説明します。求められているのは、真正乱数の発生。クァンタリオンが辿り着いた答えは、原子核の核分裂、自然崩壊を利用した乱数発生でした。「私たちの開発したセキュリティチップには、約70兆個の原子が入っています。原子核は予測できないタイミングで崩壊を起こし、α粒子を放出。半導体がそれを検知し、そのタイミングで暗号に使用する乱数を生成します。ワンタイムパスワードを常時つくっているというとわかりやすいでしょうか。自然現象を利用するため、ヒューマンリスクを回避できるのはもちろん、温度、圧力、電磁波といった外部環境の影響も受けません」。

量産化によって100円程度で購入できるように

暗号化通信や通信機器の識別符号として広く組込まれている
 2018年1月現在、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成金を得て試作品を製作中。量産しても、同じものは2つとなく、コピーを作ることもできません。「求められるシステムの複雑さにもよりますが、銀行口座などで使うレベルであれば量産化によって100円程度にまで抑えることは可能です。そのうちコンビニなどで購入し、使い捨てできるようになるのではと考えています」。一般ユーザーが不安に思うことについても、理論に基づいた答えが用意されています。「セキュリティチップを本人以外の人がなりすまして使うことがないよう、指紋認証、顔認証などの技術を組み合わせることもできます。また、原子核を用いることに漠然と不安を覚える方もいらっしゃいますが、線量は限りなく低く、人体にはなんら影響を及ぼしません。廃棄するときにも問題にならないレベルです」。

IOT社会に寄り添う製品として

 暗号化通信や通信機器の識別符号として、IOT製品などに広く組込めるとあり、企業からも大きな注目を集めているそうです。とくに外部の影響を受けないところから、人工衛星やコネクティッドカーにも搭載できると露崎氏は自信を見せます。「車のような人の命を預かるものがハッキングされるようなことがないよう運転者と車の認証や、緊急車両との通信。こういった場面でも力を発揮できると思います」。
 クァンタリオンとは、量子(quantum)と刻印(intagliato)を合わせた露崎氏の造語。夢あふれる会社名とともに、最強の鍵が情報社会を変えようとしています。
株式会社クァンタリオン
現住所:〒112-0014 東京都文京区関口1-44-3
信生堂ビル4F,バイオサイエンスリンク内
http://quantaglion.com/company/
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