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株式会社東京ベル(荒川区)

業種 : 加工(その他)
作成日: 平成29年4月17日
更新日: 平成29年4月17日
株式会社東京ベル 市村晃一代表取締役社長
 株式会社東京ベル製作所は昭和24年の創業。70年近くにわたり、自転車用ベルのメーカーとして、オリジナルにこだわった製品を開発し続けてきました。ものづくりのうえでの強みは、多品種・少量の製品を高品質・低価格・短納期で提供できること。荒川区に立地していることのメリットがその背景にあるようです。4代目となる市村晃一社長にうかがいました。

自転車用ベル開発のフロントランナー

100種類以上もの製品をラインアップ
 東京ベル製作所が開発・製造している自転車用ベルは、色の違いを含めれば100種類以上。小型のベル、木製のベル、ジュエリー風外観のベルなど、すべてオリジナル開発の製品を国内・海外の市場に送り出しています。デザインにもこだわりを持ち、月に2回ほどは顧問デザイナーを招いての新型ベルの開発会議を開催。これまでにグッドデザイン賞を多数受賞しています。
 「フロントランナーであるとの自負はありますね。昔は自己満足で作って売れないというパターンもありましたが、最近はお客様の声を聞き、ニーズをきちんと分析したうえで開発にあたるようにしています」
 この言葉にあるように、同社は自転車用ベルで国内シェア首位の座を守り続けています。
販売は輸出比率のほうが高く、現在、国内40%、海外60%の割合。アメリカ、カナダ、ドイツ、フランス、オランダなどの国々で「TOKYO BELL」ブランドとして販売され、自転車愛好家たちの人気を得ています。今後も輸出比率が高まっていくことが予想されるため、新たな輸出先の開拓が課題です。
消音機能で大ヒットした熊避けベル
 その一方で、国内向けとして注力しているのが、登山愛好家のための熊避けベルの開発・製造です。熊避けのための鈴やベルは以前からあり、登山用品のショップなどで売られていましたが、この分野では後発となる同社は、ワンタッチの操作でベルの音を止めることができる消音機能を業界初で開発して特許を取得。これがヒットして、これまでに12万個を販売しています。

ベルの売上を上回るもう一つのコア事業

本社工場ではスタンド器具を生産。自転車用ベルの生産は埼玉工場で行っている
 自転車用、熊避け用と、オリジナル製品を次々に開発して先頭を走る東京ベル製作所ですが、実は、その屋台骨を支えているのはもう一つの事業。スーパーマーケットや百貨店などで商品名や値段、POPを取り付けるのに使われているディスプレイ用スタンド器具の製造です。30年以上前から手がけており、会社の売上に占める割合は60%にのぼっています。
 「こちらは仕様があっての発注でオリジナル開発ではありませんが、金属加工メーカーとしてのアドバイスはしています」
 スタンド器具は自転車用ベルの数倍~数十倍もの種類がありますが、それだけの種類がある製品を、主力製品であれば注文が入ったその日のうちに出荷することが可能とのこと。その背景には、自社の対応力を向上させてきた努力に加え、長い社業の中で築いてきた30社を超える協力企業の存在があります。
 市村社長は、「こうした協力企業のネットワークこそ、東京に立地している最大のメリット」と言います。

地の利を活かした協力会社との緊密な連携

 「荒川区や当地の周辺には、メッキや溶接、板金加工などの工場が集まっており、当社はこうした立地のメリットを活かして外部の有能な企業を発掘し、これらの企業との協力関係を長年にわたって深めてきました。多品種・少量の製品を高品質・低価格・短納期で出荷できるのも、協力会社との緊密な連携があってのことです」
 ちなみに同社は、アメリカ、韓国、台湾、中国にも提携企業があるとのことです。
 市村社長は、中小企業に対して面倒見がよいのも東京に立地している魅力だと話します。
 「展示会に出展する際や、本社工場の照明をLEDに変えた際などに荒川区の補助金を利用させていただきました。補助金にもさまざまな種類があって、支援の手厚さを感じています」
 荒川区には「あすめし会」というものづくりの会社の若手経営者で結成された会があり、市村社長もその一員。会の名は、「明日の飯の種をつくる」が由来となっており、その名に沿った形での活発な交流が図られています。
 「若手とは言えない年齢になってしまった」と苦笑する市村社長ですが、荒川区のものづくり活性化のため、リーダーシップを発揮しています。
株式会社東京ベル
東京都荒川区西尾久4丁目8番地4号
TEL:03-3893-5741
http://www.tokyobell.co.jp
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