産業立地ナビTOKYO

株式会社五藤光学研究所(府中市)

業種 : 機械(その他の機械)
作成日: 平成28年3月4日
更新日: 平成29年4月18日
株式会社五藤光学研究所 明井英太郎カンパニー長(企画営業部長)
株式会社五藤光学研究所(府中市)
 1926年に東京・三軒茶屋で産声を上げた五藤光学研究所は、プラネタリウムの製造をはじめ、そのドーム空間の建設も手掛ける総合メーカーです。同社を含めて光学式プラネタリウムを製造、開発している企業は世界に5社のみ。そのうち日本には3社が集積しており、中でも五藤光学研究所は国内外に1,000を超える納入実績を誇っています。創業から今年(2016年)で90年の歴史やプラネタリウム製造にかける思い、近年の取り組みなどを明井英太郎カンパニー長にうかがいました。

プラネタリウムの番組制作やドーム空間の建設も手掛ける総合メーカー

2014年に開発された「CHIRONⅢ」。最新の観測データに基づく約1億個の恒星で描かれた天の川や、南半球の大マゼラン雲なども再現できる(画像提供:五藤光学研究所)
 五藤光学研究所では、プラネタリウム本体の製造、開発はもちろん、関連する企画や番組制作、さらにはプラネタリムが収まるドーム空間の建設や維持管理までを手掛けています。
 「創業時は日本唯一の天体望遠鏡専門メーカーとして出発し、1959年に、プラネタリウムの国産化に成功しました。1984年には、世界で初めて、惑星投映機を本体から分離し、コンピュータによる演算制御にしたことで、観ている人があたかも宇宙にいるような視点を得られる宇宙型プラネタリウム「GSSⅠ」を開発。2010年には、1億4000万個を超える恒星の投映を可能にした「CHIRON(ケイロン)」、そして2014年には、肉眼で見ることができる約9500個の恒星すべてに固有の色を付け、星の明るさはもとより、色彩も忠実に再現した「CHIRONⅢ」の開発に成功しました。いずれも世界初の技術であり、CHIRONⅢは2015年の東京都ベンチャー技術大賞特別賞を受賞しています」
 多くの人が慣れ親しんでいるプラネタリウムは、どのような構造であの宇宙空間を現出させるのでしょうか。
 「プラネタリウムは、機械の中にLED光源があり、恒星原板と呼ばれる、穴を開けた非常に薄い膜を持つガラス板を通して星を映す構造です。きれいな星を映すには、極めて繊細なミクロン単位の穴を開けなければならず、しかも広角レンズを通して点になるように作らなければならないため、特に高い技術が求められます。また、私たちの業界も環境負荷の低減を求められています。現在では、LED光源や発熱量が少ない冷却ファンの静音化などを実現した結果、従来に比べて3分の1以上の電力消費で済むようになっています」

プラネタリウム発祥の地、ドイツへの納入など海外展開も推進

 五藤光学研究所では、海外展開も積極的に推進しています。
 「欧米ではドイツの名門企業であるカール・ツァイス社やアメリカのスピッツ社が採用されているケースが多いのですが、最近では当社の製品が評価され、プラネタリウム発祥の地ドイツに納入することができました。さらに、東南アジアや中東諸国、インド、韓国、中国などアジアでも納入実績を伸ばしています」

長年のノウハウを駆使して指定管理者としての運営管理も

2008年から運営管理を手掛けている仙台市天文台(画像提供:仙台市天文台)
 近年、地方公共団体、外郭団体などが行っていた公共施設の管理・運営を民間企業やNPO法人・市民グループなどに代行させる「指定管理者制度」が登場しています。五藤光学研究所は長年培ったノウハウを活かし、複数のプラネタリウムの指定管理者になっています。
 「プラネタリウムの運営管理で指定管理者となっているメーカーは当社のみです。2008年の仙台市天文台をはじめとして、現在全国で計5施設の運営に携わっています。」

研究的態度を保ち、 天文、宇宙の魅力を発信し続ける

 1963年に現在の府中市に移転して以来、この地で歴史を重ねてきた五藤光学研究所にとって、東京に立地するメリットは何なのでしょうか。
 「まずは企業イメージの向上です。特に海外に対しては首都東京のブランドイメージはプラスに作用しています。次に、取引先や関係先との関係が良好に保ちやすいことです。取引先には本社機能を東京に持っている会社が多く、先方とのすみやかな連携が可能です。国内外へのアクセス面でも有利であるのは言うまでもありません」
 1980年から90年代にかけては、科学館や博物館が増えた時代であり、その頃に博物館などでプラネタリウムを見た子どもたちが今30~40代の大人になっています。子どもの頃から宇宙や天文に親しんでいる年代が社会の中核となっており、社会的な関心事として天文関連の話題がニュースとして取り上げられることも増えました。五藤光学研究所がこの一翼を担ってきたのは確かでしょう。
 「当社が五藤光学“研究所”という名称を冠しているのは、創業者・五藤齊三が唱えた『会社は小さくても、常に研究的態度を保ち、 従業員全員が常に作業即研究という態度で仕事をする社風でありたい』という願いに基づいたものです。今年(2016年)で創業90周年。これからも変わらず天文や宇宙の魅力を伝え、空間の可能性を追究して参ります」
2005年の「愛・地球博」で話題になった長久手日本館「地球の部屋」に全天球映像装置を納入。2006年に東京・上野の国立科学博物館に移設され、「シアター36○」として訪れる人に驚きと感動を与えている(画像提供:五藤光学研究所)
株式会社五藤光学研究所
東京都府中市矢崎町4-16
TEL 042-362-5311
http://www.goto.co.jp/
府中市の関連情報
北多摩エリアの関連情報