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株式会社生出(西多摩郡瑞穂町)

業種 : その他
作成日: 平成28年2月26日
更新日: 平成29年4月18日
株式会社生出 生出治代表取締役社長
株式会社生出(西多摩郡瑞穂町)
 国内外に張り巡らされた物流のネットワーク上では、今日も膨大な数のさまざまな荷物が行き交っています。なかでも電子精密機器、医療品、家電製品、OA機器、食品などは特にデリケートで取り扱いに注意が必要なため、輸送には荷物を傷めないように保護する専用のパッケージが欠かせません。株式会社生出(おいづる)は、そのパッケージ業界において、独自の技術を擁していることから高い評価を集めている企業です。生出治社長に、取り組みの内容や最新製品の特徴などをうかがいました。

画期的な緩衝材「ワンダーエコ」が業務拡大の契機に

アイスクリームの内装材として用いられている「ワンダーエコ」
 生出は1958年に、現在の西多摩郡瑞穂町で創業しました。当初はゴム製品の加工を行っていましたが、その後流通加工事業部を設立するなど業務を拡大して、現在のパッケージソリューション企業へと発展していきます。
 「当社の沿革においてひとつのトピックとなったのが、2002年(平成15年)にトキワ印刷株式会社が開発、製造した『ワンダーエコ』の販売代理店・加工指定工場となったことでした」
 ワンダーエコとは、古紙を主原料とし、水蒸気発泡させた紙製の発泡体で、当時、発泡スチロールに代わる緩衝発泡材として注目を集めた製品です。有害な化学物質を含まず、可燃ゴミ、紙ゴミとして焼却できるうえ、結合材のポリプロピレンは燃やしてもダイオキシンを発生しません。
 「ワンダーエコは保冷、保温に優れる性質も備えています。アイスクリームや肉、果物などの内装材にも使われており、贈答品やお歳暮、お中元などの発送用として好評を得ています」

緩衝材の設計、開発、量産、出荷までの全工程をフォロー

包装するプロダクト別に緩衝材を設計し、最適なパッケージを提案していく
 生出では、単純に緩衝材の販売だけでなく、包装する製品の特性に合わせた設計、開発から量産、出荷までの全工程で最適なソリューションを提案しており、その領域の広さが「トータルパッケージソリュ—ション企業」たる所以になっています。
 「社内には専任のパッケージエンジニアがおり、製品の衝撃、落下シミュレーションができる3次元CAD(対象物を3次元空間上の点や線、面などの組み合わせによって構成するソフトウェア。工業製品や建築物の設計・製図に用いられることで知られる)などを用いて、スピーディーで高品質な包装材をつくっています」

期待集める植物由来原料への転換の取り組み

2016年2月から試験販売が始まった地球に優しい新型緩衝材「エルココフォーム」
 そんな生出の最新のトピックが東京都の「平成26年度 成長産業等設備投資特別支援助成事業」に認定された、新開発の緩衝材「エルココフォーム」の製造です。
 「パッケージ業界での石油系樹脂の使用割合は90%以上と非常に高いうえ、利用後はプラスチック廃棄物を大量に発生させてしまうため、長年にわたって環境保護の面で大きな課題を抱えていました。そこで、包装材の原料を石油系資源から植物由来の再生可能な資源へと徐々に転換していく必要があると考えたのが、エルココフォーム開発の背景となりました。その後、特殊な機械を導入して本来は混ざりにくい石油系樹脂原料と植物由来原料を混練し、同時に、包装する製品の保護に必要な強度などを得ることに成功しました。2016年2月から試験的に販売を開始しています」
 日本経済を支える自動車、航空機などの精密部品や医療用器具などの輸送には、環境負荷の低減も重要な社会的責務となっています。それだけに、生出の植物由来原料への転換の取り組みは非常に大きな影響を生みそうです。
 最後に東京に立地することのメリット、魅力などをお聞きしました。
 「メーカーにとって、自社製品を包む包装・緩衝材は、少しでも早く手に入れ、なおかつコストを下げるために、製造拠点にできるだけ近い、地元企業を使うことが一般的です。その点、優良で多様なメーカーが集積している東京は当社にとって理想的な場所といえます。また、ここ西多摩郡瑞穂町に限っていえば、すぐそばに奥多摩の美しい山並みを眺めることもでき、自然が身近でバランスの取れた働きやすい環境だと考えています」
株式会社生出
東京都西多摩郡瑞穂町箱根ケ崎1188
TEL 042-557-0253
http://www.oizuru.co.jp/
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