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サイトセンシング株式会社(千代田区)

業種 : 機械(その他の機械)
作成日: 平成28年2月25日
更新日: 平成29年4月18日
サイトセンシング株式会社 平林隆代表取締役
サイトセンシング株式会社(千代田区)
 サイトセンシング株式会社は、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)のベンチャー開発・技術移転センターによる起業支援を受けて、2012年6月に創業しました。主に計測関連事業を手掛けており、「現場の計測」を意味する社名は事業内容を象徴しています。  現在は、顔認識や属性計測ソフトウェア「Face Grapher」、人、モノなどの屋内移動を計測する「PDR+」、そして、3Dモデル作成サービス「3D Modeling Service」の3分野を中心に業務を展開しています。2015年東京都トライアル発注認定制度の認定商品となり、サイトセンシング社が今後飛躍するきっかけになるであろう3D Modeling Serviceを中心に、同社の平林隆代表取締役にお話をうかがいました。

3DCADデータに比べて「速い・安い・綺麗・軽い」点で高評価

 「産総研によるベンチャー支援を受けて起業した会社は、現在までに当社を含めて120社以上に及びます。いずれも産総研が開発した技術シーズを基にしてさらに研究、開発を進めて事業として展開しています。当社がこれまでに手掛けていた3つの商品・サービスのうち、目下、最速で事業化に向け進んでいるのが3D Modeling Serviceです」
 3Dモデリングに関連したビジネスで最も有名なものが3DCAD(対象物を3次元空間上の点や線、面などの組み合わせによって構成するソフトウェア。工業製品や建築物の設計・製図に用いられることで知られる)です。しかしサイトセンシングの開発したサービスは、従来の3DCADを大きく超越し、速く、安く、綺麗で、しかも軽く取り扱いやすいデータとして納品できることが大きな特徴です。
 「3D Modeling Serviceは、さまざまな施設や建築物を3Dモデル化し、ネット上で一般消費者への紹介用ビジュアルとして使えるようにするサービスです。まず当社のスタッフが建物や施設現地へ出向き、デジタルカメラで隈なく屋内外を撮影。次に持ち帰った画像を当社独自のソフトウェアを使って、次々と組み立てて3Dモデルを作成します」
 例えば、約150㎡の一戸建て住宅のケースでは、価格は約5万円で納期は約1日、データは20MB程度とのこと。確かに従来の3DCADに比べるとかなりスピーディーに手に入る上、相場もほぼひと桁は安くなっており、大幅なコストカットも達成していることが分かります。画像は一般的なデジタルカメラで撮影したものですが、ご存じのとおり昨今のデジタルカメラは高機能であるため、3Dモデルの品質としては問題がありません。しかも現場に実際に置かれていた家具などを画像から削除する加工を加えることもできます。現在は分譲マンションの販売会社が、作成したマンションの3Dモデルをバーチャル物件内覧としてWebに載せる、あるいは、マンション管理会社が自社管理物件の立体モデル資料として使うなどの用途が多いそうです。
 「東京都トライアル発注認定制度の認定商品になった後も、本サービスはさらに進化しています。2015年末には1~2時間我々のレクチャーを受けていただき、撮影の仕方、注意点を知っていただければ、デジタルカメラではなくビデオカメラで動画撮影した画像で3Dモデルをつくることができるようになりました。また、高層建築物の窓からの眺望をデジタルカメラ撮影した画像で3Dモデル化できるようになったのも、大きなブレイクスルーだったと自負しています。どんな眺望が得られるのかはマンションや施設の価値を大きく左右するだけに、不動産業界からは特に高い評価をいただけるのではないかと期待しています」

デジタルカメラで撮影した画像を貼り合わせて完成する(上)。3D Modeling Serviceで作成した住戸の1フロアの3Dモデル(下)。

東京にはベンチャー企業が成長しやすいシリコンバレーのような環境がある

サイトセンシングでは他にも優れた商品、サービスを提供している。人、モノなどの屋内移動を計測する「PDR+」(左概念図)と顔認識や属性計測ソフトウェア「Face Grapher」(右)
 こうした優れたサービスを開発し、事業化できたことは、東京に拠点があったからこそだと平林代表取締役は語ります。
 「物理的にお客様からのフィードバックを得やすい場所であり、同時に私たちもすぐにお客様の会社や展示会などに行くことができます。特に東京は“デシジョン・メーカー”が集まっているので意思決定が速く、モノづくりをスピーディーに進めることができます。また、商品やサービスを購入いただける消費市場が大きく、充実しているのもさることながら、適切なオピニオンが形成される広い意味でのマーケットがあることも東京ならではの魅力です。具体的には、一般のカスタマーに加えて、競合他社、先進的なユーザー、業界団体、ジャーナリスト、ビジョナリストなどが集積しており、シリコンバレーのような環境が形成されています。そうした場所で勝負することで評価や批評、良い意味でのお叱りもいただけて、企業として成長することができるのです」

東京都トライアル発注認定制度の認定商品となってビジネスチャンスが拡大

 サイトセンシングはこれまでに都の次世代イノベーション創出プロジェクトや東京都中小企業振興公社など、複数の団体から助成金を受けています。金銭的なメリットはもちろんですが、派生する恩恵にも大きなものがあるそうです。
 「助成金を交付した団体や都が、『〇〇年度は〇〇という企業に助成しました』といった情報を発信してくれるため、その事実を知った第三者が、評価をしてくれます。実際に助成を受けてから今まで付き合いのなかった企業やメディアからも連絡をいただき、ネットワークが広がりました」
 もちろん、東京都トライアル発注認定制度の認定商品となったこともビジネスチャンスが広がるきっかけになったとのこと。都から東京武道館の3Dモデル作成を発注されたほか、産業交流会など展示会の出展招待を受け、さらに多くの人が3D Modeling Serviceを知ることとなりました。サイトセンシングにとって、2016年がステップアップの年になる可能性は高そうです。
サイトセンシングの製品、サービスはさまざまな賞に輝いている。
上/東京都トライアル発注認定制度の認定書(3D Modeling Service) 
左下/Location Business Japan 2015優秀賞(PDR+)
右下/Microsoft Innovation Award 2015優秀賞(Face Grapher)

サイトセンシング株式会社
東京都千代田区内神田1-15-6 和光ビル3階A
TEL 03-5577-3375
http://site-sensing.com/
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