産業立地ナビTOKYO

トップページ 立地企業の声を業種別リストから探す  /  エリア別リストから探す 株式会社アシュラスコープインスタレーション(新宿区)

株式会社アシュラスコープインスタレーション(新宿区)

業種 : その他
作成日: 平成28年2月16日
更新日: 平成29年4月18日
株式会社アシュラスコープインスタレーション 秋葉哲也 CEO アートディレクター
 エンターテインメントの一ジャンルとしてすっかり定着した感のある「プロジェクションマッピング(PM)」。これは簡単に言えば“コンピュータ・グラフィックス(CG)とプロジェクタなどを使って、建物や物体などの表面に映像を映し出す技術”です。海外では1960年代から始まったとされていますが、日本で知られるようになったのは2012年、東京駅の丸ノ内駅舎で行われたイベントがきっかけでした。スクリーンに見立てた駅舎のレンガの壁に映し出されたリアルな映像世界が話題となり、以降、博物館や広場、城などさまざまな場所で上映されています。
 ここでご紹介する株式会社アシュラスコープインスタレーションもPMの制作会社ですが、同業他社とは決定的に違うある特徴を備え、この世界で独自の存在感を放ち続けています。秋葉哲也CEOにお話をうかがいました。

PMが知られる前から独自に開発、研究。進化系の「メディアリウム」を創造

左右共に「メディアリウム」の一例。ショーを鑑賞する形式の一般的なPMではなく、空間全体をデザインしている
 前述したとおり、日本でPMが知られるようになったのはここ3~4年ですが、実は秋葉CEOは、大学工学部で建築学を専攻していた1990年代後半頃からこの技術を開発していたと言います。
 「建築にグラフィックが活用できないかと考え、トレーシングペーパーに絵を描いてモニターに貼り、画像を合成したり、スクリーンのようなフラットな場所だけでなく、建築物のような立体的なモノにも映像を映したりしていたのです。当時はPMという概念は頭になく、個人的な視点で試していただけでした」
 その後、秋葉CEOは2002年からグラフィックや映像を使った空間デザインプロダクション「アシュラスコープ」をスタートし、事業の傍らPMの研究、開発も続けました。そして、2005年にはPMの基本概念を特許出願し、2006年には東京デザイナーズウィーク 100%DesignTokyoへのPM出展や、PMをフル活用したライブの演出などの実績を重ねていきました。
 「株式会社アシュラスコープインスタレーションを設立したのは2011年です。2013年にはそれまでに手掛けてきた、建築やグラフィック、映像、音楽、Web、アートなど、多様なジャンルで活用したPMをさらに進化させた技術を『MEDIARIUM(メディアリウム)』と名付けてブランド化し、商標登録しました」

建築設計の専門知識と技術があるからこそ一般的なPMと一線を画した「空間デザイン」に

 メディアリウムとは、建築・映像・音楽・照明など多くの要素=「メディア」で五感を刺激する空間=「リウム」を意味する造語だそうです。
 「リウムは、アクアリウム、プラネタリウムといった言葉にも使われているとおり、空間を意味します。一般的なPMがスクリーンの形状に合わせた映像コンテンツの投影であるのに対し、メディアリウムは投映距離の短い場所でも上映が可能なうえ、被写体が小さかったり、凹凸がある複雑な形状でもマッピングが可能になります。この技術を確立できた背景にあるのが、私をはじめとするスタッフが習得している建築設計の専門知識と技術です。私たちは建築・インテリアデザイナー、グラフィックデザイナーとしての経験も持っているため、PMを平面のグラフィックとしてではなく、立体的な構造や空間として計算し、投影することができるのです」
 本サイトの動画にも挿入されている、アシュラスコープインスタレーションが手がけた東京都内の飲食店内の映像を観ると、メディアリウムの魅力を疑似体験することができます。バーカウンターの壁で、花が折々に色を変え、蝶がゆったりと空を飛ぶ——一般的なPMのように観る人が目を離せなくなるような映像作品ではなく、店にやって来たお客様が美味しい料理やお酒を楽しむ時間を演出する、加えて、空間そのものの魅力を引き立てる役割を果たしています。
 また、低予算で上映できることもメディアリウムならではの特徴です。従来のPMでは非常に高額な特殊機材が使われる場合が多いのに対し、メディアリウムは市販品で対応できるため、コストを大きく引き下げられるのです。

                             
2015年9月、ティーサロン「Sir Thomas LIPTON TEA HOUSE GINZA」(上)と2016年1月、飲食店「CASA AfeliZ GINZA」(下)にメディアリウムを提供

高い評価を集めて「2015年東京都ベンチャー技術大賞」を受賞

クライアントとのミーティングで「狙いは何か、どんなことをしたいか」などをしっかりヒアリングする、コミュニケーション能力も問われる仕事です、と語る秋葉CEO。
 メディアリウムという独自技術が評価され、アシュラスコープインスタレーションは「2015年東京都ベンチャー技術大賞」を受賞しました。秋葉CEOはこのことに感謝しながらも、気を引き締め、基本的な姿勢は変えずにこれからも仕事に取り組んでいくと話します。
「誰もやったことのない仕事だけに、発注するクライアント側も漠然としたイメージはあっても、明確にこうしたい!という答えは持っていない場合がほとんどです。私たちは建築を学んだ者ならではの全方位に目を配ることができるスキルを活かし、クライアントとの折衝を重ねて、できるだけ正解に近い答えを提供していきたいと考えています」
 また、東京の立地も会社にはプラスに働いていますとの話もありました。多様なカルチャーやアートが身近にあり、どこに出かけるにもアクセスが良い新宿は魅力的だそうです。
かつてはライブや芝居、ミュージックビデオなどの演出など比較的華やかな仕事も多かったとのことですが、最近ではウェディングパーティーや飲食店など、エンドユーザーの方々が直接の当事者として体験できる身近な案件も増えてきたそうです。
 「クライアントが笑顔でゲストに『この映像、すごいでしょう?』と自慢をしていただけるようなモノづくりを、これからも目指していくつもりです」
株式会社アシュラスコープインスタレーション
東京都新宿区新宿6-7-22 エルプリメント新宿 553
TEL 03-5843-7472
http://www.projectionmapping.biz/
新宿区の関連情報