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株式会社橋本鋳造所(大田区)

業種 : 加工(金属)
作成日: 平成25年3月17日
更新日: 平成27年3月6日
株式会社橋本鋳造所(大田区)
液晶製造装置や半導体製造装置など、高い精度が要求される装置に用いられる鋳造部品の製造を手がける株式会社橋本鋳造所。2012年に創業100周年を迎えた老舗です。創業以来、東京にて鋳物づくり一筋に取り組んできました。そんな同社の鈴木博社長にお話を伺いました。

旧態依然とした設備を一新

当社は、1912年に創業しました。創業者の橋本光次は、「これからは鋳物製造が伸びる」と炭鉱会社勤務から独立し、設備と人材をそろえて東京・恵比寿で事業をスタートさせます。1928年に大田区南六郷に移転し、戦時中は軍需産業に参入して「愛国ピストンリング」というブランドを掲げて発展しました。1978年に、現在の本社および工場所在地である大田区京浜島に移転。これを機に、それまでの旧態依然とした設備を一新しました。特に熔解設備は従来の溶解炉を低周波電気炉に変え、さらに特殊鋳鉄・特殊鋳鋼の需要に応えるべく、高周波電気炉も導入しました。2006年には、中小企業庁「元気なモノ作り中小企業300社」および東京商工会議所「第4回勇気ある経営大賞」優秀賞を受賞しました。2007年に社長に就任した私で4代目となります。

低膨張鋳造合金の開発に成功

当社の主力製品は、一新した設備によって1980年に開発に成功した「低膨張鋳造合金μH(ミクロエイチ)シリーズ」です。3代目社長である橋本光蔵が精密加工装置メーカーの経営者と同級生であったことから、精密加工装置に不可欠な低膨張鋳造合金の開発を相談されたことが契機となりました。以前から、鉄に36%のニッケルなどを加えることで鉄より膨張係数を10分の1ほどまで小さくした「インバー材」と呼ばれる合金がよく知られていました。インバー材には微量のマンガンや炭素も加えるのですが、その加え方で違う材質のものになってしまいます。また、インバー材は固まるのが早いので湯流れが悪く扱いにくいという特性もありました。当社は、こうした問題を試行錯誤のうえ解決することに成功しました。そして、電子部品などの精密加工装置、半導体や液晶パネルを製造するステッパー、高圧ポンプなどに採用されるに至っています。

近くに取引先や支援施設が立地する利便性

当社の主力取引先である精密加工装置メーカーやステッパーメーカー、ポンプメーカーはいずれも都内の近い場所に立地しており、営業活動や開発プロセスの共有でメリットがあります。また、鋳物製造に用いる木型や鉄くずなどの材料の仕入れ先も東京に集積しています。さらに、低膨張鋳造合金の開発においては、近くにある都立産業技術研究センターにひんぱんに通い、膨張係数の測定を行うことができました。このように、事業活動において当社が東京に立地するメリットは大変大きなものがあり、創業以来都心部に留まっている最大の理由であると考えています。

同業者と組んで社宅マンション建設

当社のような「3K現場」の中小企業は人材採用に苦労するものですが、近隣に集積する同業者十数社と組んで合同説明会を行ったり、共同でマンション1棟を建設し社宅にするなどの待遇向上策を行うことで採用力を高める努力もしています。その結果、1985年当時の平均年齢55歳超という状況から、現在では、正社員26名の平均年齢は37.5歳、役員・事務職を除く工場作業者20名だけでは34.2歳と若返りに成功しています。これも、東京に立地していることがベースとなってできたことだと思います。
URL:http://www.hashichu.com/
住所:東京都大田区京浜島2-19-10
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