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北星鉛筆 株式会社(葛飾区)

業種 : その他
作成日: 平成22年1月8日
更新日: 平成27年3月6日
北星鉛筆株式会社(葛飾区)
鉛筆製造は東京の地場産業のひとつ。北星鉛筆は生産過程で発生するおがくずを原料とした粘土や絵の具を商品化し注目を浴びています。ランドマークタワー「東京スカイツリー」のオープンを控え活気づく葛飾区において、小学生の見学を受け入れるなど地元と深く関わりつつ、企業の“想い”を事業に反映させたいと語る杉谷社長にお話をうかがいました。

木材業が発端

杉谷家はもともと伊勢で徳川家の書記を務めていました。明治時代屯田兵として北海道に渡り、木材業を起こし鉛筆用の木材を扱っていた関係から、当時の大手メーカー月星鉛筆の経営破たんを受けて、東京の設備を買い取り鉛筆製造事業に着手した次第です。なので、北星の「北」は北海道の北の字なんですよ。

おがくず再利用の商品を開発。試行錯誤の末ヒットに

鉛筆の需要は昭和30年代をピークに、現在はその三分の一ほどに下降しています。ものづくりは、売れなくなってくると良いアイデアが生まれるものです。本業を継続するため、また材料の40%をおがくずとして焼却することを常日頃もったいなく感じていたため、産学協同でおがくず再利用製品の開発に臨むことを決めました。  
試行錯誤を重ね、おがくずを粉砕した粉を原料とした粘土「もくねんさん」がヒットとなりました。手にべとつかず自然乾燥後は軽く堅固ですから、アクセサリーや子供の玩具などアイデア次第で用途は広がります。もともと持っている文具の販路を活用できる商品であることも有利でした。さらに木材を主原料とした「ウッドペイント」を玉川大学芸術学部と共同で開発、商品化に成功しました。将来的には「木彩画」というジャンルの確立を目指しています。

東京下町の工場を東京の名所に「観光・鉛筆工場物語」

鉛筆製造業の組合41社中36社が東京、その半数が荒川区と葛飾区に集中しています。大量生産が要求されるようになると、技術の調達と物流の便の良い場所を求めて全国の鉛筆製造業者が東京の荒川沿いに集まりました。こうして、鉛筆は東京の地場産業になったのです。
当社の製造工場では以前から地元の小学生の見学を受け入れていましたが、今般基盤技術産業グループ支援事業の認定支援を受け、東京の地場産業である鉛筆の製造過程を見学できる工場としてリニューアルしました。これに鉛筆学習施設「東京ペンシルラボ」を増設した「観光・鉛筆工場物語」というコンセプトのもと、3月20日に施設オープンの運びとなりました。

「想い」が企業を導いていく

需要が落ち込んでいるとはいっても、小学3年生までは間違いなく鉛筆を使います。当社はこのユーザー層に焦点をあて、時代の流れを汲んだ製品開発をしているため、大きな打撃を受けず生き残れました。原料などの細かい部分を見極める「アリの目線」、離れた場所から全体を俯瞰する「鳥の目線」。このふたつが、時代を掴んだものづくりには必要だと感じます。
企業には「想い」が必要です。創業者である曽祖父は「鉛筆はわが身を削って人のためになる。真中に芯の通った人間をつくる大切なものだから家業として続けていきなさい」という言葉を残してくれました。この言葉を心に刻みながら、一歩一歩、進んでいます。人は一足踏み込むごとに何を考えるか、何を思って選ぶかでいつしか立ち位置が大きく違ってくると思うからです。今後も想いを大切にして事業に反映させていける企業であり続けたいと考えます。
URL:http://www.kitaboshi.co.jp/
住所:東京都葛飾区四つ木1-23-11
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