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株式会社 秋東精工(江戸川区)

業種 : その他
作成日: 平成27年3月13日
更新日: 平成28年3月29日
株式会社秋東精工
代表取締役 柴田忠利さん
 日本で初めてプラモデル金型を製造した創業者、柴田幹雄会長の志を受け継ぐ秋東精工。長年に及ぶノウハウと技術の蓄積によって作り上げる“こだわりの金型”は、その数2千タイトル以上にも及びます。

日本で最初にプラモデル金型をつくった創業者

国産初のプラモデル、原子力潜水艦ノーチラス号
 国産初のプラモデルは、1958年、当時の玩具メーカー、マルサン商店にて発売された「原子力潜水艦ノーチラス号」。プラスチックの製造技術が国内では確立されていない当時、ドイツから立体彫刻機を導入し、苦労の末にその金型を作りあげたのが柴田幹雄氏である。そして1978年、氏は秋東精工を創業した。
 その後、スーパーカー、アニメヒーローの人気シリーズ、ミニ四駆など、様々なヒット商品の金型を作成。2千タイトル以上に及ぶ経験とノウハウは秋東精工の貴重な財産となっている。
 今回お話いただいた柴田忠利氏は、柴田幹雄氏の息子で、2011年に社長に就任。秋東精工を“お客様に笑顔とエンターテイメントを提供する会社”と位置づけ、新たなスタートを切った。

熟練の職人が生み出す金型技術

旋盤機による金型の作成
 プラモデルは、ランナーと呼ばれる枠に繋がった部品を取り外して組み立てるものが主だが、このランナーと部品は、金型の中に熱で溶けたプラスチックを流し込んで成形される。つまり、プラモデルが精緻になればなるほど、精密な金型が必要になる。特に、微妙な手足の動きまでポーズが変えられるフィギュア等は、わずかな誤差も許されない。
 これを支えるのが、名工の存在である。機械旋盤である程度のところまでは加工できるが、最後の仕上げは、長年の経験とカンを持った特別の職人の手作業による。
 「当社には、100分の1mm単位の細かな調整ができる、驚くべき達人がいます。例えば、プラモデルを組み立てたことのある方なら、お解りだと思いますが、お客様が(トル)、指で組み立てる時の、捻るだけで『ポロリ』と取れる、指で『グッ』と押し込む、この絶妙な感覚は、彼らでなくては再現できません。」
 “金型の芸術家”石亀さん、“生きた精密機械”清水さんをはじめとする熟練の金型職人。彼らの存在が、他社ではマネのできない、技術的なブランド力を高めているのである。

モデリング、開発提案力の秋東精工の強みの一つ

詳細な3Dモデリング
 金型作成の依頼があると、車両や建造物などは現物の取材に向かう。実際の大きさを測り、写真に撮影し、また設計図等を参考にして、そこからパーツ数などの構造を設計する。
 リアルさを追求する一方、実物をただ縮小するだけでなく、プラモデルとしての美しさや強度を考慮して、幅や長さのバランスの調整がなされる。また、コスト削減のために一つの金型になるべくたくさんのパーツを入れるなど、秋東精工ならではのノウハウが光る。
 例えば、人体の模型では、指の関節までリアルなパーツを生み出し、人の動きを再現した。
 その一方、イラスト一枚からでも形にしてしまう技術力を誇る。3Dモデリングソフトを使い、自由曲面形状を作成。データは出力図で確認後、3Dプリンタによる造形でも確認することができる。

企業の販促品からプラスチック製品まで、幅広い応用力

企業の広報用ロボットの原寸大モデル
 プラモデルの金型設計・製造、企画から販売に至るまで、トータルにサポートできるのが秋東精工。その技術力に注目するのは玩具メーカーだけでなく、各企業の製品・機器の模型、販促品としてのプラモデルの企画・製造依頼の実績も数多い。
 さらに工業用部品やオーディオの外装など、さまざまなプラスチック製品の金型にも対応。もちろん、複雑な加工も得意とするところである。
 「『プラモデルが作れるのなら、プラスチック金型は何でも作れますね。』それが当社に対して寄せられる、多くの企業様からの褒め言葉です」

東京都江戸川区のメリット

秋東精工工場
 秋東精工が工場を構えるのは、江戸川区の中部。現在は、都営地下鉄により都心へのアクセスが良好で、駅周辺にはマンションが立ち並んでいるが、創業当時は工場地帯。江戸川の河口にも近いため、工場周辺の湿地帯が遊び場だったという柴田氏は、このロケーションに愛着を持っている。もちろん、昔からの工場同士の連携も今なお、続いている。
 江戸川区がものづくり企業の支援の一環として開催する“産業ときめきフェア”への出展のほか、秋東精工は区の施策を活用してきた。
 また、公益財団法人東京都中小企業振興公社の開催する「事業承継塾」にも参加。
 「ビジネスモデルの見直しをはじめ、幅広いサポートを得ました。公社の活用が無ければ、今の当社は存在しなかったかもしれません。」
 情報量や支援体制の充実した東京ならではの環境が、二代目柴田氏の意欲的な取り組みを力強くバックアップする。
 同社のロゴマークの中央には笑顔がある。“お客様に笑顔とエンターテイメントをお届けしたい”という氏の願いは、精緻なプラモデルへと形を変えて、今日も国内、そして世界へ発信されて行く。
株式会社秋東精工
http://www.syuto.jp/
〒134-0091
東京都江戸川区船堀3-10-22
電話番号03-3680-3151
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