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株式会社北嶋絞製作所(大田区)

業種 : 加工(金属)
作成日: 平成27年4月1日
更新日: 平成28年3月29日
株式会社北嶋絞製作所
代表取締役社長 北嶋 貴弘さん

経験と勘による、へら絞加工

金属の“へら絞り”加工と手作りのへら
 ろくろのような横型の機械に金属板をセットして回転させる。そこへ、長い棒状の工具をあてて、力を加えていくと、板状だった金属が、見る見るうちになめらかな球状へと変形していく。
 この専門工具の名称が “へら”であり、この加工方法を“へら絞り”と呼ぶ。
 北嶋絞製作所は、1947年(昭和22年)、大田区に創業。以来60余年、一貫して、この“へら絞り”加工を専門に手掛けている。
 へら絞りでは、微妙な手作業の感覚で達成するもので、形だけでなく、厚みもコントロールしなければならない。真剣に金属の様子を見つめ、力を加減してゆく姿は、まるで金属と対話しているかのようだ。
 マニュアルもないため、体で覚えるしかない技術。図面通りに作れるようになるまでには、7~8年かかるという。同社では、この加工技能に熟達した10名の社員が、日々、腕を磨いている。

様々な分野に活かされる、へら絞りの技術

“へら絞り”で加工された製品
 北嶋絞製作所では、数ミリの小さなものから4mを越える大きな製品まで加工する。
 身近なものでは、照明器具や自動車用ライトの反射鏡。そのほか、半導体や液晶関係の部品、大型パラボラアンテナ、寺社仏閣の装飾品や大型オブジェ、航空機・人工衛星の部品まで。H2ロケットの固体ロケットブースターの先端部分も同社が手掛けた。
 「当社は、大型のものや、加工しにくい硬い鋼材加工など、他社ができない難易度の高い製品を敢えて請け負います。困難な製品は、技術を進歩させるチャンスだと考えています。」(北嶋氏)

職人たちのチームワークによる大型製品づくり

パラボラアンテナの製作風景
 「大きな製品の加工の場合、一部の工程は2人がかりで行います。中には6人がかりで加工する場合もあります。お互いの息がぴったり合わないと、うまく加工できません。職人の技術レベルが高いだけではなく、チームワークが重要になります。」(北嶋氏)
 同社の職人個々の高い技術とチームワークが、優れた製品を生み出す。ちなみに、直径2.5mのパラボラアンテナにおいても、誤差はわずか0.15㎜という、驚くべき精度を誇る。

ものづくりの町、大田区ならではのメリット

京浜島工業団地
 北嶋絞製作所が立地するのは、大田区の人工島、京浜島にある工業団地。製造時に振動や騒音が発生する企業が、市街地から集団で移転してきたことにより誕生し、以来、ものづくりの集積拠点として大田の工業を支えてきた。
 また、大田区には、昔から仲間回しという独自のネットワークがあるが、北嶋絞製作所では、現在も、穴あけなどの後加工などを、各々、得意とする町工場に頼んでいる。
 「大田の町工場は、小回りがきき、たいへん、助かっています。もちろん、技術的な面での信頼も大きい。仲間内の町工場も、“難しいのは、あたりまえ”という考えでいますから、どんな注文にも必ず、応えてくれる。頼もしい存在です。」
 大田区は、多方面から製造業の支援を進めているが、北嶋絞製作所では、新しい機械を導入する際の助成金を利用など、施策を有効に活用している。
 「大田区は支援メニューが充実していて、しかも対応が速いですね。」
 ものづくりの町ならではの好環境に、じっくり腰を据え、北嶋絞製作所はこれからも、妥協を許さないものづくりに挑んでゆく。
株式会社北嶋絞製作所
http://www.kitajimashibori.co.jp/index.html
〒143-0003
東京都大田区京浜島2-3-10
電話番号03-3790-2300(代表)
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