産業立地ナビTOKYO

アイラボ株式会社(小金井市)

業種 : 情報
作成日: 平成27年3月13日
更新日: 平成28年3月29日
アイラボ株式会社
代表取締役 堀口昌伸さん
 東京農工大学中川研究室が開発したオンライン手書き文字認識技術をベースに、大学発ベンチャーとして創業したアイラボ株式会社。その完成度の高い手書き文字認識ソフトウェアは、医療、教育など、様々な分野で注目されています。

国立大学法人東京農工大学発ベンチャーとして創立

手書き文字をデータ化
 iPad、スマートフォンなど、手書き入力が可能なデバイスが次々に発表され、手書き文字認識技術が注目されている。この分野において先端を行くのが、アイラボ株式会社である。
 今回、お話しいただいたのは、同社の代表取締役の堀口氏。
 「平成20年度科学技術振興機構(JST)の「大学発ベンチャー創出推進プロジェクト」に採択され、3年間の委託研究開発の成果を基に、2011年(平成23年)12月、東京農工大学発ベンチャーとして設立されました。」
 東京農工大学中川正樹研究室では、1980年頃から手書き文字認識技術の研究に着手してきた。その技術を応用してビジネス化し、世に送り出すためのサポートを行うのが、堀口氏。中川氏との二人三脚で、新技術を社会に普及させようと取り組んでいる。

あらゆる手書き文字を瞬時にデータ化する、画期的な技術

手書き文字(右)が、テキストデータ(左)に
 「手書き文字認識」とは、手書きの文字を読み取り、テキストに変換するもの。指やペンの動きを点の連続としてとらえ、どのような文字かを判断する。それを文字コードに変換することでテキストデータに変換される。
 アイラボ株式会社の技術の特筆すべき点は、その高精度な認識率にある。
 「当社が開発した技術は、筆記枠を設けた文字列認識で99%以上、枠が無い所に自由に文字列を筆記する場合は95%以上の認識率を達成しています。」
 縦書き・横書きはもちろん、斜め書きの文字にも対応。くせ字、続け字、二度書き、重ね書きも認識できる。こうした読み取りの精度を実現させるために、男女、様々な年代層の方々の協力を得て、約300万に及ぶ文字を収集し、プログラムに学習させたという。
 また、地図のように図形と文字が混在するものでは、図形は画像、文字はテキストと分離して認識する。
 英字も読み取ることができる。また、数式認識エンジンにより、数式も読み取ることが可能になった。
 日本語の文脈情報を利用する言語処理技術も搭載されている。その認識時間の短縮も特徴で、文字を書くとほぼ同時に、変換されていく。

医療、教育など、幅広い分野に応用

医療や教育の現場で導入が進む
 手書き文字認識は、専用のペンとパッドを用いるが、紙の上に書いたものを、紙ベースとテキストデータの両方で保存できるアプリケーションも開発。
 この手書き文字認識システムは、医療・教育・保険などの様々な分野で採用され始めている。
 その先陣を切ったのが、診療所向け手書き電子カルテ。従来と同じ手書き入力のままコンピュータに情報を取り込むことができるため、違和感なく利用でき、導入時コストが少なく、業務効率の高さからも注目される。
 また、教育分野では、教師の採点に取り入れられた。従来の解答用紙に採点する方法で電子化が可能となり、採点の集計結果や各種分析の基になるデータを出力。○×△等の採点マークや部分点等も認識可能。
 生徒の学習用には、デジタルドリルや自習システムも開発。時間経過が認識できるために、漢字の書き順の正誤もチェックできるという。
 一方、保険などの金融分野では、申込書等の帳票の電子化に活用され始めた。用紙とデータベースの双方で記録できるという、新たなメリットが注目されている。

ベンチャー技術大賞「奨励賞」受賞

ベンチャー技術大賞表彰式
 「各社の用途にマッチした、特徴のある手書き文字認識システムを作りたいと考えています。小さな会社だからこそ、柔軟な対応ができます。」と語る堀口氏。
 今後、IT化がさらに発展しても、“文字を書く”ことは、決して無くならない。手書き文字認識システムの活用の可能性は広がる。今後は外国語の認識も手掛けていくという。
 ベンチャースピリットに富む中小企業が開発した革新的で将来性のある製品、技術に贈られる“東京都ベンチャー技術大賞”において、2014年、アイラボ株式会社は「奨励賞」を受賞した。アイラボ株式会社の挑戦はとどまることなく続く。

多摩エリアならではのメリット

東京農工大学キャンパス
 豊かな自然に囲まれた東京農工大学のキャンパス内にある、アイラボ株式会社のオフィス。同大学のインキュベーション施設の一室である。
 東京都、中でも多摩エリアは「産学連携」が活発に行われているが、東京農工大もその一つ。先端産学連携推進センターを拠点に、新技術の創出、権利化、起業支援を積極的に推進し、成果を上げている。
 「取引先が都心部に多いため、都心・副都心から電車で約30分前後のここ東小金井は、アクセスの面で良好です。
 そして、何よりも、研究室が至近にあり、綿密なコンタクトが取れることが一番のメリットです。」
 研究開発に専念するに最も適した好環境。アイラボ株式会社と研究室とのコラボレーションは、日々、積み重ねられてゆく。
アイラボ株式会社
http://ilabo.biz/
〒184-8588
東京都小金井市中町2-24-16
電話番号:042-388-7258
小金井市の関連情報
北多摩エリアの関連情報