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イービーエム株式会社(大田区)

業種 : 環境・医療・福祉
作成日: 平成27年3月13日
更新日: 平成28年3月29日
イービーエム株式会社
代表取締役社長 朴 栄光さん

3,000人を超える外科医の声を具現化した、手術シミュレーター

冠動脈バイパス手術訓練装置YOUCAN(ヨウカン)・BEAT
 冠動脈バイパス手術など、先端の高度な医療を担う外科医達は、日々、縫合のトレーニングを行っている。こうした医療分野のトレーニングを、工学の分野からサポートするのが、イービーエム株式会社である。
 イービーエム株式会社は2006年(平成18年)、大学発学生ものづくりベンチャーとして、東京都大田区に創業。
 「私は早稲田大学で5年間、外科手術訓練シミュレーターの開発、および外科技能の定量化に関する研究を行ってきました。その中で、若い外科医が日々、トレーニングによって技術を磨いている点に着目し、心筋と血管を再現した装置の開発を目指したのです。」と語るのは、創業者の朴 栄光氏。
 そして誕生した最初の製品は、心拍再現装置BEATと、冠動脈モデルYOUCAN(ヨウカン)を組み合わせた“冠動脈バイパス手術訓練装置”である。

心筋の動きをリアルに再現することで、難易度の高い手術のシミュレーションを可能に

海外でも導入される
 この冠動脈バイパス手術訓練装置は、電動で拍動する台の上で、血管に見立てたチューブを縫い合わせ、トレーニングを行うもの。バイオメタルと呼ばれる細い繊維状のアクチュエータ(駆動装置)金を使用することで、心筋表面の動きをリアルに再現。樹脂による血管も、実際の血管のサイズ・強度を模擬している。
 折りたたんで運べ、場所を選ばず使用できるため、学会などの旅先でもトレーニングが可能。リビングでも使用できるよう、インテリア性も重視したのも朴氏のこだわりである。
 この装置の機能性は高く評価され、医科大学、学会など、国内100拠点、世界の医療拠点に導入されている。さらに、イービーエム社の特徴は、製品づくりだけでなく、そのシステム作りにもあった。
 「当社は、機器を製造するだけではありません。トレーニングの成果の〝評価”があってこそ、技術も向上すると考え、縫合の結果を客観的に評価するシステムも開始しました。」
 この評価システムも各国で取り入れられ、コンテストも開催され、各国の外科医達がその腕を競う。
 こうしたビジネスモデルが評価され、イービーエム株式会社は、大田のモノづくりの将来を担う技術者を表彰する制度「平成25年度大田の工匠Next Generation」を受賞した。

ものづくりの街、大田ならではメリット

大田の技術が可能にした心筋のリアルな動き
 イービーエム株式会社が操業する大田区は、数多くの町工場が立地し、ものづくりの街としておなじみだが、この心筋の動きをリアルに追求した手術シミュレーターにも、大田の技術が集結していた。
 「このシミュレーターは、実際の心筋の動きを忠実に再現していますが、特に、“動いているのに音が出ない”ことがポイントです。その秘密は、電流を流すと筋肉のように動く、バイオメタル(金属系人工筋肉アクチュエータ)の採用です。これは大田の工場が独自に開発したもので、そこでしか作れない技術ですが、今回の製品化にあたって、全面的に協力いただきました。」
 高度な技術を持った工場が集中し、工場同士のつながりを活かして仕事をする、大田の伝統があってこそ。新製品の開発には、こうしたネットワークが欠かせない。

大田から世界へ、未来へ

「テクノFRONT森ヶ崎」にて
 イービーエム株式会社のある「テクノFRONT森ヶ崎」は、大田区が建設し、2008年(平成20年)に開設した工場アパート。フォークリフトが通れる広い通路や、機械導入に対応する床荷重等に加え、テラスや中庭等の居住環境も整う。また、建物内でものづくりの連携が行われている。
 「大田区で操業するメリットは、数多くあります。この創業支援施設の入所もそうですが、様々な行政支援サービスを活用してこそ、ビジネスを軌道に乗せることができました。
 そして、私にとっての大きな魅力は、“空港“です。」
 オフィスの窓からは羽田空港の飛行機が見える。自ら自家用操縦士の免許を持つ朴氏は、飛行機が好きという。
 「空港は大田区のシンボル。海外、特にアジアのアクセスが良好です。都内で最も世界に近い場所といえます。」
 医工学の研究成果を実用化して、日本から世界に広げたいという想いに対し、ここは、まさに最適なロケーション。2020年にはオリンピックが開催され、ますます世界から注目される東京、その玄関口、羽田。そのすぐ傍で、若い力が成功を遂げてゆくモデルケースを示すかのように活躍する朴氏。
 「 世界に貢献できる国、日本。若者が夢を持てる国、日本。という姿を、等身大で示していきたい」きたる未来への想いをこう結んだ。
イービーエム株式会社
http://ebm.vc/
〒143-0013 
東京都大田区大森南四丁目6番15号 テクノFRONT森ヶ崎508号
電話番号:03-5737-2884
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