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墨田区

フロンティアすみだ塾、すみだ地域ブランド戦略

作成日: 平成24年1月16日
更新日: 平成27年4月14日
墨田区 産業観光部 産業経済課 産業振興担当
 2012年5月22日の東京スカイツリーR開業によって、いま、墨田区は大きく変貌しようとしています。観光客の増加はもちろんのこと、それにともなって産業構造に変化の兆しが見えています。その典型的な例が、2010年度から開始した「すみだ地域ブランド戦略」の一環である「すみだモダン」の認証や「ものづくりコラボレーション」による成果でしょう。既存の商品の改良だけでなく、日本有数のプランナーとともに若手からベテランまで、地域に根ざした経営者が斬新な商品の開発などを手がけています。このような若手経営者や後継者の育成を目的にしているのが、2004年に開設された「フロンティアすみだ塾」です。
 そこで、今回はまず塾の意義などについて、墨田区産業観光部産業経済課産業振興担当主査の髙山秀樹さんにお話をうかがいました。

若手経営者、後継者のためのビジネススクール

 墨田区は、古くから従業員数名程度の工場が多くある地域です。こういった事業者の最も大きな課題が「後継者」でした。そういうなか、2003年に「工業振興マスタープラン」を作成し、最重視したのが後継者の育成でした。そして2004年、若手経営者、二代目のためのビジネススクール「フロンティアすみだ塾」を開設し、塾頭に「産業論」「中小企業論」「地域経済論」が専門の明星大学教授の関満博先生がつきました。
 これまで90名が塾を修了しています。募集要項には「45歳程度まで」となっていますが、最も多いのが30代半ばの方々です。

地域のリーダーとなる若手経営者を輩出

 1年間のカリキュラムは、毎月1回程度の講義のほかに、視察・合宿で編成されています。講義は「スタートアップ」「経営学習」「経営戦略形成」の3つに体系化されています。また、視察や合宿は塾生にとってきわめて有意義な場です。全国の若手経営者と交流し、刺激を与えあったり、経営手法や商品開発のヒントなどを得るなど、切磋琢磨しているのです。

OB会によるプロジェクトが盛んに行われる

 すでに90名の修了生を輩出していますが、これまではOBの横のつながりが課題でした。しかし、2011年にはOB会が立ちあがり、いくつかのプロジェクトが進行中です。その一つが「配財プロジェクト」。
 工場から出た廃材やプレスした際の脇の金属、布の切れ端などを活用して万華鏡を作成するワークショップで、これは子どもたちに「ものづくりのおもしろさ」を教える役割も果たしています。
 2011年度の「すみだモダン」に認証された「ふうせんバレーボール用風船」(マルサ斉藤ゴム)は、障害者や高齢者のふうせんバレーボールをサポートする目的で開発されたという経緯があります。
左から「配財プロジェクトの万華鏡」「ふうせんバレーボール用風船」

髙山さん、ありがとうございました。 続いて、墨田区産業観光部産業経済課産業振興担当主査の植村聡さんに、「すみだ地域ブランド戦略」の取組み内容などについてお話をうかがいました。

「すみだ地域ブランド戦略」で「すみだ」の知名度を高める

 12年春の東京スカイツリー開業によって観光面でも注目されるのですから、それを契機に商品の付加価値をさらに向上させ、すみだものづくりを広く区の内外に発信していこうと考えました。  そこで、BtoC(企業と消費者との取引)の発想を重視したのです。多くの消費者に手にしてもらえる商品づくりなど、すみだの魅力を創出・発信するために2010年3月、「すみだ地域ブランド推進協議会」を設立し、すみだブランド認証「すみだモダン」を決定することになり、7月には28の商品が認証されたのです。そして2011年度は23の商品が認証され、さらに地域を特色付ける「飲食店メニュー(グルメセレクション)」を新設し、14のメニューが認証されています。

「ものづくりコラボレーション事業」で消費者向け商品を開発

 この2年間に認証された商品は伝統的なものばかりとはかぎりません。新たに開発した商品も少なくないのです。新商品開発の中核をなすのが「ものづくりコラボレーション事業」といえるでしょう。この事業は高い技術力をもつ区内の企業と、日本を代表するプランナーやデザイナー(コラボレーター)が個性をぶつけあって、消費者向けの商品を開発しています。たとえば、典型プロジェクトの松田朋春代表と伊藤バインダリーさんとのコラボレーションで2009年に開発された「上質メモブロック」は、2010年度の「グッドデザイン賞」を受賞し、2011年度の「すみだモダン」に認証されています。松田代表はほかに、久米繊維工業さんと国産Tシャツの原点と現代の手法を融合させた「色丸首」(2010年度「すみだモダン」)を、松山油脂さんとは典型的ながら新しい「典型浴用石けん・典型洗顔石けん」(2010年度「すみだモダン」)などを開発しています。  また、「すみだ地域ブランド戦略」を展開するにあたり、区内の若手経営者や後継者のためのビジネススクールである「フロンティアすみだ塾」の存在も忘れてはなりません。現在、8期生が学んでいる塾のOBには、「上質メモブロック」を開発した伊藤バインダリーの伊藤雅樹常務をはじめ、2010年度「すみだモダン」認証の「すみだちゃんこ巻き」を開発したサンエーの遠藤耕一社長、2011年度に認証された「お皿まな板」のチバプラスの千葉勇希専務、同じく「てのひらトング」の笠原スプリング製作所の笠原克之代表などがいらっしゃいます。  このような多くの取組みに接していると、墨田区にはいま「ヒト、モノ」が充実しつつあるのだと実感しています。
上段左から「上質メモブロック」「すみだちゃんこ巻き」「色丸首」、下段左から「典型浴用石けん・典型洗顔石けん」「てのひらトング」
植村さん、本日はありがとうございました。お話のなかで紹介された「すみだモダン」認証商品は、「すみだ もの処」で販売されています。 「すみだ もの処」については以前、取材させていただきました。詳しくは以下の記事をご覧ください。
URL: http://www.city.sumida.lg.jp/
住所: 〒130-8640 東京都墨田区吾妻橋1-23-20
TEL: 03-5603-6188
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