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フォーカス2017
TOKYOを拠点としてIoTやAIなど先端テクノロジーを駆使するキーパーソン

先端テクノロジーを活用した「国際文化観光都市・渋谷SHIBUYA」の実現

作成日: 平成30年3月29日
更新日: 平成30年3月29日
一般財団法人渋谷区観光協会

一般財団法人渋谷区観光協会

「PLAY DIVERSITY SHIBUYA」、渋谷の多様性を楽しもうというコンセプトのもと、渋谷区観光協会はユニークな取組を行っています。「人々が起こすノイズのようなものがファッション、音楽といったカルチャーにつながっていく。それが渋谷のおもしろさです。私たちが目指すのは、その魅力を体感できる仕掛けづくりです」と話す代表理事金山淳吾氏とCXディレクター岩本義樹氏。今渋谷に行くと、私たちはどんな体験ができるのでしょう。

スクランブル交差点の向こう側には行かない

 「東京都の観光を考えると、浅草=歴史、銀座=買い物、押上=スカイツリーみたいに、キーワードとしてはっきりしている場所が多い。では渋谷は?と考えると、観光資源が少ないですね。スクランブル交差点を動画で撮影して、ハチ公と記念撮影をしたら、銀座に買い物に行こうと。スクランブル交差点のその先に行く人は少ないという印象です」と話す金山淳吾氏。そこで、目指したのは渋谷を探索しながら、友だちをつくり、つながり、新たな体験ができる仕組みづくりでした。

街中に約1,000個のビーコンを設置

CXディレクター岩本義樹氏

 課題対応を目的に、渋谷区観光協会は渋谷の中心街、原宿、恵比寿、代官山を中心に約1,000個のビーコンを設置。半径数十メートルの範囲で通った人のスマートフォンに、ポイントがたまったり、ニューオープンのお店の情報やクーポンが届いたりします。

「GPSを用いる選択肢もありましたが、渋谷は地下があったり、地上にのぼったり、改札がいくつもあったりと、立体的な街です。ピンスポットで情報を発信するためにビーコンは相性がよかった」と岩本義樹氏。このシステムをサードパーティ(第三者団体)に公開することで、一緒に街を盛り上げていくことを目指しています。「渋谷の街自体を共益だと捉えて、各メーカーに自由に使ってほしい。アニメ、防災、コミュニケーションなど可能性はいろいろな方向に広がると思います。そのなかで交流が深まり、体験を共有すれば、また渋谷に来たいという動機付けになる。さらに、ビーコンをトラッキング(追跡)することにより、その人がどのようなルートで渋谷を歩いたかがわかります。このような貴重なデータは可視化し、地域の事業者にも提供していきたい」と岩本氏は続けます。

管理画面イメージ

渋谷ほど実験に適した街はない

 取組はまだ試行錯誤の段階。金山氏はさらにその先を見つめています。「ハロウィンや大晦日のカウントダウンには大勢の人が渋谷に集まります。でも、彼らは自由に集まって解散するだけで、イベント化はされていません。私たちのサービスがよりよいものになったとき、10万人のハロウィンのような大きな企画を立ち上げ、このアプリをダウンロードして、チケットとして当日見せてくださいとすれば、一気にユーザーが跳ね上がります。それをくり返すうちに、渋谷で遊ぶなら「PLAY!渋谷」を持っていないと、という存在になり、情報や資金、人が集まるといった好循環が生まれてくると思います。インフラは整えるので、中小企業からもアイディアを持ち込んで、どんどん実験していただきたい。渋谷ほど実験にふさわしい街はありませんから」。

 観光に用いられるIoTやAIはコスト削減などの問題解決ではなく、可能性創造のために用いるのがふさわしいと語る両氏。わくわくするような仕掛けが渋谷区から世界へ発信されています。

シブヤ観光ソリューションの概要図

略歴=金山淳吾氏
1978年生。広告会社、音楽会社でのエンタテインメント事業開発を経てクリエイティブアトリエTNZQを設立。2016年より一般財団法人渋谷区観光協会の代表理事として渋谷区の観光戦略・事業を牽引し、渋谷区をステージに様々なプロジェクトをプロデュースしている。

岩本義樹氏
NECレノボジャパングループにて新規事業を複数立ち上げたのち、2016年に独立/起業。独立後はIoTやAR/VRなど最先端のデジタル技術を用いた体験デザインを得意とし、渋谷区を始めとした地域や、家電/化粧品メーカーやホテル・交通など、業界を問わず、様々な新規プロジェクトをサポート。
一般財団法人渋谷区観光協会
play-shibuya.com/

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